研究開発
研究テーマを見極めるには?
「新製品の9割は失敗する」の最古の追跡点は、1961年の雑誌記事だった
米国・2013年に Journal of Product Innovation Management へ出た論考は、8割から9割という主張を都市伝説と呼び、1945年から2004年までの査読研究19本が見いだした失敗率は30〜49%だと書いている。米国の消費財31分野・新規83,719品目を追った2021年の調査では、発売1年後に25%、2年後に約40%だった。
原理から発明するには?
測られているのは「原理に戻る」ではなく「遠い分野から借りる」ほうだった
2014年に Management Science へ出た対称型の実験は、離れた市場の解き手の解が、すぐに使える見込みでは劣るが新規性では相当に高い水準を示したと報告した。効果は新規性の分布の上側の裾でとくに強い。一方、2026年8月に査読誌の題名索引を「第一原理思考」で引いても、群を比べた研究は1件も現れなかった。
技術の種を市場につなぐには?
2011年に Marketing Science 30巻2号へ出た研究は、7つの市場の36の技術を調べ、下から攻める技術が既存の側からも新規参入者と同じ頻度で出ており、企業を実際に追い出すことはまれだと報告した。専門家に77件の事例を評定させた2015年秋の調査(実務者向けの雑誌で、査読誌ではない)では、4条件すべてを満たしたのは7件、9%だった。
アイデアを試作で確かめるには?
試験が測ったのは「当たる」ではなく、二つの取り違えが減ることだった
2020年に Management Science 66巻2号へ出た試験は、イタリアの新興企業116社を約1年・16時点で追い、処置群の成績と切り替えが上がり脱落は増えないと報告した。2024年に Strategic Management Journal 45巻6号へ出た4試験・759社の追試では、中止の確率が9.8パーセントポイント上がり(p=.001)、売上も6,999.327ユーロ多かった(p=.030)。
開発の関門を設計するには?
2008年の Journal of Marketing 72(1) の研究(ステージゲートを使った120件の案件への調査)は、厳格な基準のくり返しの適用が案件を硬直させ、学習の失敗を経て、新規性の高い製品でのみ市場成果を悪化させると報告した。ゲートの条件付き緩和では打ち消せない。2009年の425人への調査では、審査の熟達だけが成果と結びつき、地点の数・人数・基準の数は結びついていなかった。
失敗から学びを残すには?
2013年の Management Science 59(11) の研究(心臓外科の新しい術式、外科医71人、6,500件を超える手技、10年分)は、個人が自分の失敗より自分の成功から、他人の成功より他人の失敗から多くを学ぶと報告した。組織の側では、原因の異質性、回収が自発か強制か、期待の水準との距離で、学びの量が変わる。ただしこれらはすべて、記録に残る失敗の話である。
発明を権利にするには?
公的資料の定義では、出願数は各国・地域の官庁になされた出願の回数を数えるので、同じ発明を複数の国に出せばその数だけ件数が増える。1990年の総説は、権利になりえない発明・出願されない発明・中身の大きさが違うものという三つの層が抜けていると書いた。欧州の604社への1993年の調査では、出願された発明の割合は製品で35.9%、工程で24.8%である。
外部の技術を取り込むには?
2006年の Strategic Management Journal 27(2) の研究(英国の製造業2,707社、2001年の技術革新調査)は、探索の広さ・深さと成果の逆U字を報告した。ただし探索の深さの二次の項は、模倣的な革新では−0.015で有意でない。2011年のデンマークの110社では短期に遅くなり、2010年のベルギーの305社では短期の費用の増加が上回っていた。
開発スピードを上げるには?
速さは効いている。効き目が動くのは、成功の測り方を動かしたときだ
複数の業種と国にまたがる1002件の案件を調べた2015年の研究は、アジャイルの効果を肯定している。だから値切りは効果の有無ではない。2013年のメタ分析が成功を四つの水準に分けたこと、1社の399件では三つの段をすべて一貫して速めた場合にのみ成果が上がったこと——動いているのは、何を成功と呼ぶかのほうである。
要素技術を積み上げるには?
起点は査読誌ではなかった。裏づけは549回のうち292回だった
1990年5–6月号の査読外の記事が起点である。2007年の数え上げでは55本の論文に含まれる549回の検定のうち292回(53%)が支持された。2001年には批判と応答と再応答が一つの号に並び、2010年には8つの批判のうち3つは容易に退けられないと整理された。そして1992年の20件の事例研究は、中核の能力はそのまま中核の硬直になると書いている。
顧客と共に開発するには?
1億4600万ドルは、売れた金額ではなく、売れると見込んだ金額である
概念の原典は1986年の論文だが、その要旨に効果の測定は書かれていない。効果を測った2002年の論文は、ある製造業1社の社内の自然実験で、比べたのは5件と42件。1億4600万ドルは5年後の年間売上の予測値である。一方で、案の出所を伏せて採点した2012年の比較では、使う側の案は新規性と顧客便益で高く、実現の可能性で低い点を取った。
研究と事業を両立するには?
2013年のメタ分析の要旨が名指ししたのは、非製造業と分析の水準が高いところ、そして組み合わせ型の測度・知覚的な業績・横断的あるいは複数手法の設計である。よく添えられる25本・26,183人・r = 0.06 は原典の言葉ではなく、2019年に別の査読誌へ出た論文の474ページの記述である。日本の統計は、研究を新しい知識を得るための創造的な努力および探求と定義している。
開発テーマを絞り込むには?
ドイツ企業1,495社で、広く配るほど新製品の売上は高かった。しかも「広さ」は金額ではなく、規模で割った案件の件数である。そして日本の2023年の研究開発費は、公的資料の同じ表に20.4兆円と22.0兆円の2通りで並んでいる。
技術ロードマップを描くには?
原典の周期は1年、期間は「少なくとも10年」。10年後に提唱者本人が2年へ書き換えている。62の技術で比べた2013年の研究は、進歩は予測可能だと明言したうえで、誤差が年率2.5%で広がることも報告した。
研究者の創造性を引き出すには?
104本を読んだ総説は、本文に「実証的な証拠はいまだ欠けている」と書いた
実証的な証拠はいまだ欠けている——ただしこの一文は要旨ではなく本文にある。推す側の論文は自ら視点論考と名乗る。そして「就業時間の2割」の成果を数値で示した公開資料には、2026年8月に見た時点でたどり着けなかった。
矛盾を発明で解くには?
20万件を見て4万件を選んだ、が「4万件を分析した」になった
この手法を掲げる団体の公開ページは20万件、2024年の査読前のプレプリントは4万件超、2025年の査読誌の論文は数千件と書いている。一次に近い形は二段構えで、20万件を見て、そのうち4万件を選んだ、というものだった。