「代替案があれば強く出られる」——効くのは確かだが、貢献・開示・弱い代替案の過信という条件がつく
代替案があれば強く出られる、と教わる。代替案(BATNA)の効果は確かに実験で確かめられ、それが自分の留保値を決め、落とし所の端を定める——前の単位のねじれはここで解ける。だが、代替案は唯一の力の源ではない。相手にとっての自分の価値(貢献)も同等以上に効く。効き目は臨む動機と組み合わさって変わる。そして、実体の乏しい代替案を過信すると、まとまる合意を蹴って逆効果になる。
前の単位の宿題——落とし所を定める、代替案
前の単位で、落とし所の線は「まとまらなかったらどうするか」——代替案(BATNA)——を知って初めて正確に引ける、という宿題が残った。ここでは、その代替案そのものを据える。
BATNAとは、いま向き合っている相手との交渉がまとまらなかったときに、自分が取れる最善の別の手のことだ。別の取引先、別の物件、いまのまま我慢する、という選択肢——それらのうち、いちばんましなもの。これが、あなたの引き際を決める。別の相手と同じ条件で結べる当てがあるなら、目の前の悪い条件は蹴ればいい。当てが無いなら、多少不満でも受けるしかない。だから、自分の留保値(これ以上は譲れない境目)は、代替案の良し悪しで決まり、その留保値が落とし所(ZOPA)の端を定める。 代替案を起点に、留保値、そして合意できる幅が、順に引けるようになる。前の単位で下書きだった図は、ここで初めて、正しい位置に線を引ける。だから、代替案の準備は、単なる保険ではない。それは、交渉全体の土台を定める作業だ。代替案があいまいなままだと、自分の引き際も、狙うべき落とし所も、砂の上に立つことになる。逆に、代替案がはっきりすれば、迷ったときの拠りどころができる。
代替案は、確かに効く
まず、良い知らせから。代替案を持っていること、そしてそれが強いことは、交渉の成果を実際に高める。 これは語り草ではなく、実験で確かめられている。Pinkley・Neale・Bennett が1994年に、代替案の有無や強さが交渉の結果に与える影響を実験で調べ、より良い代替案を持つ側が、より良い成果を得ることを示した。理由は素朴だ。逃げ場のある人は、無理な条件を飲まなくてよい。焦って譲る必要がないぶん、落ち着いて臨める。
だからこの単位は、代替案の価値を否定しない。むしろ、準備の核心に置く。前の単位のねじれを、ここで解いておこう——代替案(BATNA)が定まると、それに応じて自分の留保値が決まり、留保値が決まると、合意できる幅(ZOPA)の自分側の端が定まる。 つまり、「代替案 → 留保値 → 落とし所」という順で、備えは組み上がる。番地の並びとは逆に、本当の起点は、この代替案なのだ。ここまでは、俗説「代替案があれば強く出られる」も、おおむね正しい。問題は、その先にある。ひとつ補っておくと、ここで言う『強い代替案』とは、金額の大きさのことではない。あなたにとって、いざというとき本当に頼れる度合いのことだ。豪華に見える代替案でも、実行に手間や痛みが伴えば、支えにはなりにくい。
だが、唯一の力の源ではない——「貢献」も効く
「代替案があれば強く出られる」を、万能の法則にしてしまうと、足をすくわれる。代替案は力の源の一つだが、唯一の源ではないからだ。
Kim と Fragale が2005年に、交渉の力がどこから来るのかを、代替案(BATNA)と貢献——自分が相手にとってどれだけ価値があるか——とを比べて調べた。すると、貢献が、代替案と同等か、場面によってはそれ以上に、交渉の力を左右することが分かった。Kim・Pinkley・Fragale が同じ2005年に、交渉における力は複数の源を持つことを理論として整理している。つまり、たとえ手元の代替案が弱くても、あなたが相手にとって余人をもって代えがたい存在なら、力は生まれる。逆に、いくら代替案が強くても、相手にとってあなたの価値が低ければ、力は目減りする。だから準備では、「自分の逃げ場(代替案)」だけでなく、「相手にとっての自分の値打ち(貢献)」も、あわせて見ておく必要がある。片方だけを数えると、自分の立ち位置を読み違える。この『貢献』という視点は、弱い立場に置かれがちな人にこそ効く。代替案の乏しさばかりを数えて、自分は不利だと最初から諦めてしまう——だが、相手がなぜ他ではなく自分と話しているのかを考えれば、そこに自分の値打ちが見える。
代替案は、動機と組み合わさって効く
代替案には、もう一つ知っておくべき性質がある。その効き目は、あなたがどんな構えで臨むかと組み合わさって現れる。 強い代替案を持っていても、それだけで自動的に良い結果になるわけではない。
Giebels・De Dreu・Van de Vliert が2000年に、交渉から抜ける選択肢——退出オプション、つまり代替案——と、相手のことも考えるか自分の利益を優先するかという動機とを組み合わせて、交渉がどう進むかを実験で調べた。すると、代替案があること自体より、それをどんな動機と一緒に使うかで、分配的(奪い合い)にも統合的(広げ合い)にも進み方が変わることが見えてきた。逃げ場を持っていても、奪い合いの構えで振りかざせば分配の綱引きになり、相手のことも考える構えで持てば、余裕をもって統合の余地を探れる。代替案は、それ単独の武器ではなく、構えと結びついて初めて、力の質が決まるのだ。
ここで、この棚は一つ線を引く。代替案を相手にどう伝えるかは、相手や関係しだいの慎重な判断で、無理に見せる必要はない。 代替案は、まずあなた自身の引き際を支えるもので、相手に見せて初めて効くものではない。そして——弱い代替案を、あたかも強いかのように見せかける手口は、この棚では扱わない。 それは欺瞞の問題で、後の倫理の単位の持ち場だ。この単位で言えるのは、代替案の力が、それをどんな動機で持つかに左右される、という事実の提示までである。
弱い代替案を過信すると、逆効果になる
最後に、いちばん見落とされやすい落とし穴。弱い、あるいは実体のあやふやな代替案を、強いものと思い込んで過信すると、かえって成果を損なう。
「他にもあてはある」と自分に言い聞かせても、その「あて」が、実際には確実でない——たとえば、まだ返事も来ていない、条件も詰めていない——ことは多い。こうした実体の乏しい代替案(phantom BATNA)を頼りに強気で構えると、まとまるはずの合意を蹴ってしまい、あとで後悔することになる。Conlon・Pinkley・Sawyer が2014年に、この実体の乏しい代替案が持つ危うさを検討し、Brett・Pinkley・Jackofsky が1996年に、確たる代替案を持たないときに人が何に頼るかを調べている。教訓ははっきりしている——代替案は、「あるかどうか」より「本当にあてにできるか」で数える。 準備の段階でやるべきは、逃げ場を増やして安心することではなく、その逃げ場が、いざというとき本当に使えるのかを、冷静に確かめておくことだ。確かめ方は単純だ。『これは今すぐ実行できるか』と、自分に問えばいい。すぐに『はい』と言えない代替案は、まだ支えにはならない。返事待ちなら、返事が来るまでは無いものとして数える。強がりの逃げ場を一つ数えるより、確かな逃げ場を一つ持つほうが、はるかに力になる。
時間・変化:1994年から今へ
順に置く。1994年、Pinkley・Neale・Bennett が、代替案の強さが交渉の成果を高めることを実験で示す。1996年、Brett らが、確たる代替案が無いときに人が頼るものを調べる。2000年、Giebels らが、退出オプション(代替案)の効果が動機と組み合わさって変わることを示す。2005年、Kim と Fragale が、貢献も代替案と同等以上に力を左右することを示し、Kim・Pinkley・Fragale が力の多源性を理論化する。そして2014年、Conlon らが、実体の乏しい代替案の過信の危うさを検討した。
この間に確からしくなったのは、「代替案があれば強く出られる」という単純な話ではない。確からしくなったのは、代替案は確かに効くが、力の源は他にもあり(貢献)、効き目は臨む動機と組み合わさって変わり、弱い代替案の過信は逆効果になる——という、条件つきの絵のほうである。言い換えれば、この研究群が描いてきたのは、代替案を万能の武器とする物語ではなく、代替案がどんなときに効き、どんなときに空回りするかという、使い方の見取り図だった。
妨げるもの、助けるもの、最初の一歩
妨げるものの筆頭は、「あてはある」という気分だけで、強気になることである。まだ確かめていない逃げ場は、心の支えにはなっても、交渉の力にはならない。もう一つは、代替案という一つのものさしだけで、自分の立ち位置を測ることだ。相手にとっての自分の値打ち(貢献)を見落とすと、強気にも弱気にも、読みを誤る。
助けになるのは、逃げ場を数える前に、その逃げ場が本当にあてにできるかを、冷静に確かめることだ。最初の一歩は10分。次の交渉について、「まとまらなかったら自分はどうするか(代替案)」を具体的に書き出し、それぞれに『これは今すぐ実行できるか/まだ不確かか』の印をつける。そして、『自分は相手にとってどんな価値があるか(貢献)』を一つ書き足すだけでよい。相手の代替案を探る必要はない。ただ、自分の逃げ場の確かさと、自分の値打ちを、対話に入る前に自分の手元で点検する。 確かな代替案と、相手にとっての値打ち。この二つが、あなたの本当の交渉力になる。点検して代替案が乏しいと分かっても、落胆する必要はない。乏しさが分かること自体が、備えの一部だ。代替案が弱いと知っていれば、無理に強気を装わず、貢献や関係で臨む道を選べる。
次の単位は 468「立場でなく利害で話すには?」——備えた狙いと代替案を持って、いよいよ相手と、立場でなく利害で話す構えへ進む。
- この単位は青段(準備)3単位目で、前の単位のねじれ(正確な落とし所は代替案を知って初めて引ける)を完成させる。BATNAはまとまらなかったときの最善の別の手で、これが自分の留保値を決め、留保値が落とし所(ZOPA)の端を定める。つまり代替案→留保値→落とし所の順で備えが組み上がり、番地の並びとは逆に本当の起点は代替案である。前の単位で下書きだった図は、ここで初めて正しい位置に線を引ける
- 代替案を持っていること、それが強いことは交渉の成果を実際に高める。Pinkley・Neale・Bennett 1994(Organizational Behavior and Human Decision Processes 57(1):97-116)はより良い代替案を持つ側がより良い成果を得ることを実験で示した。ここまでは俗説『代替案があれば強く出られる』もおおむね正しく、問題はその先にある
- 『代替案があれば強く出られる』を万能の法則にすると足をすくわれる。代替案は力の源の一つだが唯一の源ではない。Kim & Fragale 2005(Journal of Applied Psychology 90(2):373-381)は交渉の力を代替案(BATNA)と貢献(自分が相手にとってどれだけ価値があるか)で比べ、貢献が代替案と同等か場面によってはそれ以上に力を左右することを示した。Kim・Pinkley・Fragale 2005(Academy of Management Review 30(4):799-822)は力が複数の源を持つことを理論化した。片方だけ数えると立ち位置を読み違える
- 代替案の効き目は、それをどんな動機で持つかと組み合わさって変わる。Giebels・De Dreu・Van de Vliert 2000(European Journal of Social Psychology 30(2):255-272)は退出オプション(交渉から抜ける選択肢=代替案)と社会的動機を組み合わせ、代替案があること自体より、それをどんな構えで使うかで分配的にも統合的にも進み方が変わることを実験で示した。代替案は単独の武器でなく構えと結びついて力の質が決まる。なお相手にどう伝えるかは慎重な判断で、弱い代替案を強く見せかける手口はこの棚では扱わない(欺瞞は後の倫理の単位)
- 弱い、あるいは実体のあやふやな代替案(phantom BATNA)を強いものと思い込んで過信すると、まとまるはずの合意を蹴ってしまいかえって成果を損なう。そのあてがまだ返事も来ず条件も詰めていないことは多い。Conlon・Pinkley・Sawyer 2014(Handbook of Conflict Management Research の叢書章・非査読)は実体の乏しい代替案の危うさを検討し、Brett・Pinkley・Jackofsky 1996 は確たる代替案が無いときに人が頼るものを調べた。代替案はあるかどうかより本当にあてにできるかで数える
- この間に確からしくなったのは代替案があれば強く出られるという単純な話ではなく、代替案は確かに効くが力の源は他にもあり(貢献)、効き目は臨む動機と組み合わさって変わり、弱い代替案の過信は逆効果になるという条件つきの絵である。Pinkley や De Dreu を中心とする研究群として一括提示し水増ししない。anchoringには立ち入らず、代替案の力はこの研究群で語る
- だからこの単位でやるのは、逃げ場を数える前に、まとまらなかったら自分はどうするか(代替案)を具体的に書き出し、それぞれに今すぐ実行できるか・まだ不確かかの印をつけ、自分は相手にとってどんな価値があるか(貢献)を一つ書き足すことである。相手の代替案を探る必要はなく、確かな代替案と相手にとっての値打ちの二つが本当の交渉力になる
| よくある誤解 | 実際のところ |
|---|---|
| 交渉は代替案(BATNA)さえ持っていれば、それだけで強く出られて有利になる | 代替案の効果は実在し(Pinkley・Neale・Bennett 1994)、それが留保値を決め落とし所の端を定めるが、代替案は唯一の力の源ではない。Kim & Fragale 2005 は、相手にとっての自分の価値(貢献)が代替案と同等か場面によってはそれ以上に力を左右することを示した。手元の代替案が弱くても値打ちがあれば力は生まれ、代替案が強くても値打ちが低ければ目減りする。逃げ場だけでなく相手にとっての自分の値打ちもあわせて見る必要がある |
| 強い代替案さえ持っていれば、それだけで自動的に有利に運べる | Giebels・De Dreu・Van de Vliert 2000 は、退出オプション(交渉から抜ける選択肢=代替案)と、相手も考えるか自分を優先するかという動機を組み合わせ、代替案があること自体より、それをどんな構えで使うかで分配的にも統合的にも進み方が変わることを示した。代替案は単独の武器でなく、構えと結びついて力の質が決まる。なお代替案を相手にどう伝えるかは相手や関係しだいの慎重な判断で、弱い代替案を強く見せかける手口はこの棚では扱わない(欺瞞の問題で後の倫理の単位の持ち場)。 |
| とにかく逃げ場(代替案)を増やしておけば、その数だけ交渉は安心して強気に臨める | 実体の乏しい代替案(phantom BATNA)を強いものと思い込んで過信すると、まとまるはずの合意を蹴ってしまいかえって成果を損なう(Conlon ら 2014、Brett ら 1996)。他にもあてはあると言い聞かせても、そのあてがまだ返事も来ず条件も詰めていないことは多い。代替案はあるかどうかより本当にあてにできるかで数える。だからこの単位でやるのは、代替案を書き出して今すぐ実行できるか不確かかの印をつけ、自分の貢献も一つ書き足すことである |
皮肉なのは、『あてはある』という気分が、いちばん交渉を弱くしうることである。まだ返事も来ていない逃げ場を強いと思い込んで席につくと、人はまとまるはずの合意まで蹴ってしまう。代替案は確かに効く——それが留保値を決め、落とし所を定める、備えの本当の起点だ。だが、それは唯一の力の源ではない。相手にとっての自分の値打ちもまた力になり、代替案の効き目は、それをどんな構えで持つかで変わる。代替案が力を約束しているように見えるとき、たいていそれは、まだ誰も、逃げ場が『ある』ことと、それが本当に『あてにできる』ことを、別々に確かめていないだけかもしれない。確かな代替案と、相手にとっての値打ち——この二つを冷静に数えられる人が、いちばん強い。次の単位は 468「立場でなく利害で話すには?」——備えた狙いと代替案を持って、いよいよ相手と、立場でなく利害で話す構えへ進む。
Q1. 前の単位のねじれを完成させる——代替案(BATNA)が定まると自分の ____ が決まり、それが合意できる幅(ZOPA)の端を定める。つまり ____ → 留保値 → 落とし所の順で備えは組み上がり、番地の並びとは逆に本当の ____ は代替案である。穴埋め
Q2. 『代替案があれば強く出られる』を万能の法則にすべきでない理由として、Kim & Fragale 2005 が示したことはどれか。選択
Q3. 『実体の乏しい代替案(phantom BATNA)』を過信するとどうなるか。Conlon ら 2014・Brett ら 1996 に触れ、代替案の数え方の教訓も述べよ。一問一答
Q4. 代替案の効き目が『動機と組み合わさって変わる』とはどういうことか。Giebels・De Dreu・Van de Vliert 2000 に触れ、この棚が扱わないことも述べよ。一問一答
Q5. この単位が扱った研究を、年の早い順に並べよ。(ア)Kim & Fragale が貢献も力を左右すると示す(イ)Pinkley・Neale・Bennett が強い代替案が成果を高めると示す(ウ)Conlon らが実体の乏しい代替案の過信の危うさを検討する(エ)Giebels らが退出オプションの効果が動機と組み合わさると示す並べ替え
紙かメモアプリに今日の日付を書く。次に、これから予定している交渉、または直近の交渉を一つ思い浮かべる。まず、『もしまとまらなかったら、自分はどうするか』——考えられる代替案を、思いつくだけ具体的に書き出す(別の相手、別の方法、今のまま続ける、など)。次に、その一つひとつに、『これは今すぐ実行できる(確か)』か『まだ不確か(返事待ち・条件未定)』かの印をつける。最後に、別の観点として、『自分は相手にとってどんな価値があるか(貢献)』を一つか二つ書き足す。相手の代替案を探ったり推測したりする必要はなく、自分の逃げ場と自分の値打ちの点検として、自分のメモだけで完結させる。最後に、確かな代替案の数と、不確かな代替案の数を書き添える。不確かなものを確かなものと数えていないか、を見る。
——とはいえ、その“正しい用法・用量”は、まだ誰も知らない。ここまでの研究に、あなたのデータは1件も入っていないからだ。平均は地図にすぎない。自分の“いい具合”は、試して探すしかない。
あなたの実験(N=1)を始める → プロジェクトに追加(記録機能は準備中)
- Pinkley R.L., Neale M.A., Bennett R.J. (1994) ‘The Impact of Alternatives to Settlement in Dyadic Negotiation’, Organizational Behavior and Human Decision Processes 57(1):97-116 — doi.org
- Kim P.H., Fragale A.R. (2005) ‘Choosing the Path to Bargaining Power: An Empirical Comparison of BATNAs and Contributions in Negotiation’, Journal of Applied Psychology 90(2):373-381 — doi.org
- Giebels E., De Dreu C.K.W., Van de Vliert E. (2000) ‘Interdependence in negotiation: effects of exit options and social motive on distributive and integrative negotiation’, European Journal of Social Psychology 30(2):255-272 — doi.org
- Kim P.H., Pinkley R.L., Fragale A.R. (2005) ‘Power Dynamics in Negotiation’, Academy of Management Review 30(4):799-822 — doi.org
- Brett J.F., Pinkley R.L., Jackofsky E.F. (1996) ‘Alternatives to Having a BATNA in Dyadic Negotiation’, International Journal of Conflict Management 7(2):121-138 — doi.org
- Conlon D.E., Pinkley R.L., Sawyer J.E. (2014) ‘Getting Something Out of Nothing: Reaping or Resisting the Power of a Phantom BATNA’, in Handbook of Conflict Management Research (Edward Elgar) — doi.org